ODMSの特徴と機能について
ODMSは、電気の使用量を1分単位でグラフ表示して可視化するシステムです。これは近年「電気の見える化」と呼ばれることが多いのですが「電気の見える化」と呼ばれるためには少なくとも次の3つの条件を備えていなければならないと考えています。
1.リアルタイム(1分単位)でグラフ表示
2.デマンド予測(30分単位)をして、使い過ぎに警告を出す
3.モバイル端末などで、いつでもどこでも見える
もちろんこの他にもグラフの見やすさとか様々な要素はあるわけですが、いずれにしても1分単位のデータでないとそれは非常に使い勝手の悪いものになってしまいます。
次のグラフは1分単位の瞬時デマンドによる管理図です。
グラフでは青い線が1分毎のデマンドで緑の線は30分デマンドのデマンドのを軌跡を現し赤い線はデマンドの予測です。この予測の赤の線があらかじめ設定された閾値を超える場合にはメールによる警報や接点信号を出力します。
この警報が出された段階でいち早くエアコンなどを止めたり機械を止めるなどの措置を取ることにより最大デマンドを抑制することが可能になります。これは1分単位でグラフ化しているからこそ可能になる行動です。
また、こうした行動を何回か行うことにより節電のコツが見えてきます。警報がなったらどういう行動をすれば良いのか社内に知識として共有化されてきます。これは警報によって行動が促されると同時にデマンドグラフによって電気が見えるようになるためです。
これはデマンドがオーバーした時点でなく、後になってグラフを見たとしてもなかなかピンと来るものではありません。警報のなった瞬間に、一瞬でもそのグラフを見ておけばOKです。後でそのグラフを振り返った時より良い対策を考えることが可能になります。
次はデマンド推移図です。
こちらは30分単位の1日デマンドグラフが1週間分(当日を含めると8日分)クリック一つで1日毎重ねて1画面で表示されるようになっています。電気は1週間単位で同じ行動が繰り返されることが多いのです。
次は1分単位の瞬時デマンドの推移図です。
デマンド値履歴図です。
1日毎のデマンドピークの推移図で過去のデマンドピークが記録されています。
電力量履歴図です。
一日毎の電力使用量の一か月間推移図です。
電力料金グラフです。
一日毎の電気料金の推移図です。
こうしたグラフは電気の使用量が一目瞭然で説明する必要がありません。デマンドのピークを下げることによって基本料金は確実に下げることが可能になります。
実際の節電の効果
ではどのくらい節電に効果があるのでしょうか?実際このシステムを使って効果があったと報告を受けた一例をここにも載せておきましょう。こちらは活用事例の方に詳しく載せてあるのですが、結論的には下記になります。
ODMS利用者にご報告いただいたデマンド削減推移図
ご連絡を戴いたデータを許可を得てそのまま掲載させていただいています。(感謝!)
実際の契約電力および基本料金の推移
当初(契約電力) | 1回目更改(契約電力) | 2回目更改(契約電力) |
---|---|---|
81KW | 58KW | 34KW |
107,163円 | 76,734円 | 44,982円 |
基本料金だけで計算上削減できた電力コスト(年ベース換算)
最終的に、基本料金だけで年ベース▽¥432,621のコストが削減されました。ただしこれは基本料金だけの計算であり実際には電力使用量も含めて年¥100万円以上の削減があり継続中です。
年¥432,000は少ないと思われたでしょうか?しかし、もともとの契約電力が81KW規模での削減ベースだということを思い出してください。もし会社が400KWの契約電力ならその5倍の削減の可能性があるということです。それなら基本料金だけでざっと200万円です。
さて、最後にもう一つ重要な話があります。電力の基本料金の削減はデマンド実績に基づいて決定されます。したがって、たとえば夏場に60KWの最高デマンドを記録した場合、契約電力は60KWに設定されます。この場合次の夏場にこれより以下のデマンドを記録しない限り契約電力は更改されません。これは今でも変わりません。